「絣って、正直どんな着物なのか分からない…」
「絣の柄や模様って、どんなものなんだろう…」
「絣の着物ってどんな着こなしをすれば良いんだろう…」
絣(かすり)の着物ってよく聞きますが、いざ意味やどんな模様なのかと聞かれると分からないものですよね。
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
絣という言葉は着物専門の呉服屋さんでも厳密な意味を知らずに使っていることもあるくらいややこしい言葉なんです。
私も以前に絣の着物を買いに呉服屋さんに行きましたが、紬と絣の違いについてあまり詳しく知らないみたいでしたね。
着物を選ぶ時は呉服屋さんに任せっきりにするのではなくて、自分でもある程度の知識を付けることが重要よね。今回は絣とはどんな柄や模様の着物で、似合う帯やコーディネート、紬との違いまで絣に関する全てのことを分かりやすくお伝えしていきますね。
この記事の目次
絣(かすり)とは、模様の輪郭がかすれて見える柄が特徴の着物
(出典:https://item.rakuten.co.jp/sou-qp/3789784/)
絣とは、着物の柄を出すための絣糸(かすりいと)を使って作られた着物です。
柄の模様(文様)の輪郭がかすれて見えるのが特徴で、その「模様や柄」を絣と言うこともあります。
絣の柄は絣糸を経(たて)と緯(よこ)に交差するように織るので、洗濯しても大丈夫な普段使いしやすい着物になります。
昔の女性は結婚する時に一生着る分の絣着物を持って嫁いでいったとも言われています。
絣の技術はインドや中央アジア、東アジアあたりで生まれたとされており、日本では江戸時代頃に普及しました。
そして幕末から明治にかけて技術が発展し、現在の絣の形が作られていきました。
絣の柄や模様の種類
蚊がすり、井桁模様
(出典:http://www.kofuneko.com/s_kasuri/index.html)
蚊がすりとは、蚊のように小さく細かい柄の絣模様です。
井桁(いげた)模様とは、「井」の字を着物全体にちりばめられた柄です。
蚊がすりや井桁模様のような十字線を組み合わせた柄は、絣の中でも一般的な模様になります。
雪がすり、亀甲模様
(出典:http://www.kofuneko.com/s_kasuri/index.html)
雪がすりとは、雪が降っているように見える絣模様です。藍色地に白い絣糸で描かれているとキレイですね。
亀甲(きっこう)模様とは、亀の甲羅のような六角形を組み合わせた柄で、大正時代以降に作られました。
絵がすり
(出典:http://www.kofuneko.com/s_kasuri/index.html)
絵がすりは単調な模様ではなくて、絣で絵柄を表現したものです。
一般的な絣柄は十字線を組み合わせた図形の繰り返しが多いので、絵がすりは珍しいですね。
絣の柄の価値
絣の柄や模様は細かければ細かいほど価値が高いと評価されます。
例えば、紬の中でも最高級の大島紬や結城紬の柄は近くで見なければ分からないほど細かく描かれており、まるで染めた着物のようにも見えるくらいです。
参考:『【着物買取】大島紬の価格相場は高い?損をしない売り方を解説!』
絣の生地の種類
絣の着物は、絹や木綿、麻といった生地で作られています。
絹の着物は、光沢があって肌触りが良い反面害虫に悩まされるので、保管に注意する必要があります。
木綿の着物は、肌触りが良く涼しい反面シワになりやすいので、お手入れが重要です。
麻の着物は、通気性が良く清涼感がある反面保湿に乏しいので、夏用の着物として重宝されます。
絣の着物を着られる季節
絣の着物は生地によって着やすい季節が異なります。
- 絹 :春、秋、冬
- 木綿:春、秋
- 麻 :夏
絣と紬の違い
呉服屋さんでも絣と紬の違いや意味を区別せずに話している人やラベルを貼っているところがあります。
シンプルに意味を定義すると、以下のようになります。
- 絣=柄を指している
- 紬=生地を指している
紬とは、色の付けた糸を使って着物を織ることで、着物の形ができる前に色をつけることのできる「先染めの着物」のことを指しています。
それに対して紬よりも高級な着物の多くは、糸に色をつけないで着物を織り、着物の形になった後に色をつける「後染め」で絵柄や模様が描かれます。
つまり、紬とは先染めで作られた「生地」を指しているのです。
また絣は絣糸という「色を付けた糸」を使って着物を織ることで柄や模様を描くので、必然的に「紬」の生地になります。
つまり「柄が描かれている紬」=「絣」となり、この点が紬と絣の意味や区別がややこしくしてしまっているのです。
呉服屋さんのラベルに「紬」と書いてあろうが、柄がある紬であれば「絣」でもあるということですね。
また着物の作家さんによって、生地に力を入れた場合は「紬」、柄に力を入れた場合は「絣」と名前をつけることもあるそうです。
「後染め」の紬も少数あるのですが、後染めの場合は着色していない糸を使って着物を作るので、絣糸は使われず「絣とは言わない」点も覚えておきましょう。
紬について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
>>『紬とはどんな着物?知っておきたい帯やコーディネート作法を徹底解説』
絣の着物に似合う帯は名古屋帯や半幅帯
絣の着物は少し格の高めな場所への外出から近場へのお出かけまで幅広いシーンで着ることができるので、帯もTPOに合わせて選ぶ必要があります。
高級なレストランや料亭での食事、美術館やコンサートなどのセミフォーマルな着こなしが求められる場所では、金や銀の刺繍が入っていない洒落袋帯や名古屋帯が似合います。
友人とのランチやお散歩、近くでの買い物などのカジュアルな場では、気軽に締められる半幅帯が似合います。
絣の着物コーディネート
人前に立つ時のセミフォーマルコーディネート
カジュアルな半幅帯の中にも品のあるコーディネート
細かな十字絣の結城紬に名古屋帯を合わせたセミフォーマルコーディネート
大きめな絣模様のカジュアルコーディネート
絣模様や絣柄の着物をオシャレに着こなそう
絣の着物は模様の輪郭がかすれたように見える柄で、セミフォーマルからカジュアルまで幅広いシーンで着ることができる使い勝手の良い着物ということですね。
丈夫な着物で着心地も良いということで、私も一着欲しくなりました!
もしも新しい着物を買う場合は、同時に着なくなった着物も売って整理するのをおすすめするわ。
私も実際に6社の着物買取業者に査定してもらって、一番高い金額をつけてくれた業者に買取ってもらったの。
着物の価値は時間と共にドンドン下がるから、まずは一度無料査定してもらうといいわよ!