突然ですがあなたは、こんな疑問を持っていませんか?
「ポリエステル(化繊)の着物は安っぽく見えてしまう?」
「ポリエステルの着物は正絹と違って着心地が悪いってホント?」
「ポリエステルと正絹の着物でどんな違いで見分けたら良いの?」
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
ポリエステルの着物は安くてお求めやすいですが、着心地が悪い、着崩れしやすいなどのデメリットもあります。
私もポリエステルの着物を買おうと思っているのですが、安っぽく見えないか不安で…
確かにせっかく着物を買ったのに安っぽく見えたらイヤですよね。しかし現代のポリエステル着物は正絹とも変わらないくらいキレイなものもあるので安心です!
今回はポリエステル着物のメリット・デメリットや正絹着物との違いや見分け方、洗濯の方法など、分かりやすくお伝えしていきますね。
この記事の目次
普及し始めた当時のポリエステル(化繊)の着物は安っぽい…
ポリエステルは現在では着物だけではなくて、洋服などの素材として広く普及している化学繊維です。
そんなポリエステル(化繊)が洋服に使われ出したのが、今から約50年前だと言われています。
ポリエステルの着物は今から約30年前に登場しました。
当時のポリエステルの着物は正絹の着物と比べて相当ヒドいもので、製造メーカーはたくさんの非難を受けたそうです。
その理由としては、大きく4つあります。
- プリント技術が未熟で、微妙な色合いが表現できていない
- 生地に変な光沢感が出て、安っぽい見た目になっていた
- 通気性が悪く汗を吸収しないので、蒸れて熱い
- 静電気が発生してホコリがくっついて汚れてしまう
このような理由から、当時のポリエステルの着物は安っぽいと言われていたんです。
現在のポリエステル(化繊)の着物は正絹と変わらないくらいキレイなものが多い!
ポリエステルの着物が普及し始めた時代から約30年の時が経ちました。
現在ではプリント技術が大幅に進化し、ポリエステルの着物でも正絹と変わらないくらいキレイな柄や模様を表現できるようになっています!
同様に糸の製造法も発達し、変な光沢感も出ずにキレイな反物が織られるようになりました。
その結果、専門の呉服屋さんが見たり触ったりしても判別できないほどの着物も製造されるようになっています。
またポリエステルの着物は正絹の着物と比べて、街着などのカジュアルな場で切られるケースが多いです。
そのため、若い人に好まれるモダンな柄が多く、オシャレ着として着るならむしろ正絹よりも向いているとも言えますね♪
ポリエステル(化繊)の着物のメリット3つ
ポリエステルの着物は、現代では正絹と変わらないくらい綺麗な柄や模様をつけるようになりました。
そんなポリエステルの着物のメリットは、大きく3つあります。
- 安くて気軽に買いやすい
- 洗えるから汚れを気にしなくて良い
- 色落ちや日焼けの心配が少ない
それぞれのポイントを説明していきますね。
①安くて気軽に買いやすい
何と言ってもポリエステルの着物の一番のメリットは、その安さです。
安い着物であれば5,000円〜10,000円ほど、高くても20,000円前後で購入できます。
一方、正絹の着物の場合は、着物の仕立て方によって大きく左右しますが、少なくとも10万円はかかります。
着物を普段使いしたい場合は、どうしてもよく着る分劣化が早いものです。
そこで安いポリエステルの着物なら着回ししやすいので、劣化を遅くしながらレパートリーも楽しめますね!
②洗えるから汚れを気にしなくて良い
ポリエステルの着物はお家の洗濯機で洗濯できるのも大きなメリットです。
着物を着慣れていないうちは、思いがけず裾を引きずってしまったり袖を汚してしまったりしがちです。
それに食事やお酒の席で着物を着ていると、着物に食べ物を落としてしまったりお酒をこぼしてしまったりする心配もあります。
正絹の着物はクリーニングに相当なお金がかかるので、汚してしまったらかなりのショックを受けることですよね。
しかしポリエステルの着物なら例え汚してしまったとしても簡単に洗濯できるので、大きな心配をする必要はありません!
特に着物を汚しやすい着物初心者さんにおすすめの着物とも言えますね♪
詳しいお洗濯の仕方は、後ほどお伝えしますね。
③色落ちや日焼けの心配が少ない
ポリエステルの着物は色落ちや日焼けの心配が少ないのもメリットです。
正絹の着物は生地が傷みやすく、タンスにしまっているだけで色落ちしてしまうこともあります。
しかしポリエステルの着物は洗濯できることからも分かるように、生地がかなり丈夫です。
シワも付きづらいので、普通に畳んで保管しても問題ないのも嬉しいポイントですね♪
ポリエステル(化繊)の着物のデメリット4つ
一方でポリエステルの着物にはデメリットもあります。
- 着心地が悪い
- 着崩れしやすい
- 静電気が起きやすい
- 夏熱くて冬寒い
それぞれポイントを説明していきますね。
①着心地が悪い
ポリエステルの着物はゴワゴワしていて肌にフィットしないため、着心地があまり良くありません。
それに対して正絹の着物はしっとりとした着心地で、肌にフィットします。
②着崩れしやすい
ポリエステルの着物は着崩れしやすいのもデメリットです。
しかし一方で、正絹の縮緬仕様の着物は重くて、逆に疲れて着崩れしてしまうという声もあります。
結局のところ、着崩れしてしまう原因は着付けの腕や立ち振る舞いになります。
着崩れしても直す方法や着物の所作に慣れてくると、ポリエステルの着物でも大丈夫ですね♪
③静電気が起きやすい
ポリエステルは化学繊維なので、静電気が起きやすいです。
静電気が起きると空気中のホコリを引き寄せてしまうので、汚れてしまいます。
しかし静電気防止スプレーを使うことで防げるので、こちらの対策はできますね!
④夏熱くて冬寒い
ポリエステルの着物は通気性が悪いので、夏場は熱気を溜め込んで熱くなります。
一方冬場は、熱伝導率が悪いのでなかなか着物が温まらないですし、身体にもフィットしづらいので寒いです。
冬場の対策としては、ヒートテックなどの肌着を着用することで防寒できますね!
着物の襟から肌着が見えないような、襟元が深いデザインのものがおすすめです。
【比較】ポリエステル(化繊)と正絹の着物の違い
ここまでポリエステルの着物のメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
そこで、ポリエステルの着物と正絹の着物の違いを比較してみましょう。
ポリエステル | 正絹 | |
値段 | 安い | 高い |
洗濯機 | 使用可能 | 不可能 |
着心地 | 悪い | 良い |
着崩れ | しやすい | しにくい |
通気性 | 悪い | 良い |
防寒性 | 悪い | 良い |
ポリエステルの着物は、安いけど着心地が良くなく着崩れもしやすい。
正絹の着物は、着心地がよく着崩れしにくいけど、値段が高い。
このような対照的な着物であることが分かりました。
正絹とポリエステルでどちらが良い・悪いということはありません。
TPOやお財布事情によっても適切な着物は変わってくるので、好きな着物を選びましょう♪
ポリエステル(化繊)の正絹の着物の見分け方
ポリエステルの着物と正絹の着物の違いは理解できたと思います。
ではどうやって両者を見分けたら良いのでしょうか?
答えを先に言うと、「タグを見るのが確実」ということです。
見分け方は色々あるのですが、現代ではポリエステルの着物のクオリティが高まっていて、プロの呉服屋さんでも見た目や触り心地で判断ができないものも増えています。
それに何回もクリーニングした正絹の着物はポリエステルのようにゴワゴワしてしまいまうので、なおさら違いを見分けるのが難しくなります。
ですので、タグが付いている場合はタグを確認するのが確実です。
一応、見分けやすい方法が2つあるので紹介します。
- 糸の太さで比べる
- 糸を燃やして比べる
それぞれのポイントを説明しますね。
①糸の太さで比べる
ポリエステルの糸は太さが均一です。
反物としてもツルンとした均一な仕上がりになっています。
一方で正絹は、糸の太さがまばらです。
細かい違いにはなりますが、よく見てみると判断することができます。
②糸を燃やして比べる
それぞれの着物の糸を燃やせる場合は、確実に判断がつきます。
ポリエステルの燃え方は、ゆっくりと燃えていきススが混じった黒い炎が出ます。
正絹の燃え方は、早いスピードでジリジリと縮れながら燃えていきます。
残った灰にも特徴があります。
ポリエステルの灰は、冷えて固まると丸い塊になります。
正絹の灰は、指で押すと潰れる柔らかい塊になります。
着物の裏から表の生地に影響しないところの糸を抜き取って試してみましょう。
【簡単!】ポリエステル(化繊)の着物の洗濯方法
ポリエステルの着物はお家の洗濯機で洗濯できるのがメリットですよね。
ポリエステルの着物を洗濯する時のポイントは、大きく2つあります。
- あまり汚れていない時はハンガーで干す
- 汚れが気になる時は洗濯ネットに入れて洗濯する
ポイントを解説しますね。
①あまり汚れていない時はハンガーで干す
いくら洗濯できる着物といっても、毎回洗濯する必要はありません。
あまり汚れていない時は、風通しの良い場所で半日から一日程度ハンガーにかけて干しておきましょう。
着物を干すことで、染み込んだ汗や臭いを取り除くことができます。
干す場所は、ベランダの日陰などの日の当たらない風通しのいい場所がベストです。
ハンガーに吊るすことで、重力でシワを伸ばすこともできます!
②汚れが気になる時は洗濯ネットに入れて洗濯する
食べ物や飲み物をこぼしてしまったなど気になる汚れが付いている場合は洗濯しましょう。
着物はネットに入れることで生地の劣化を防ぐことができます。
ネットに入れる時は着物をある程度折り畳んでおくと、洗濯後にシワが付きづらいですよ!
ポリエステル(化繊)の着物をおすすめする人
ここまでポリエステルの着物のメリットやデメリットなどをお伝えしてきました。
そして最終的に、どのような人にポリエステルの着物がおすすめなのかをまとめますね!
- 10代、20代の若い女性
- 友人とのランチやお出かけなどの街着
- 正絹の着物を着る前のお試し着物
- 茶道のお稽古着
それぞれのポイントについて解説していきます。
①10代、20代の若い女性
ポリエステルの着物は安いので、10代や20代の若い女性が着る着物としておすすめです!
正絹の着物だと10万円以上するので、若いうちから高い着物を着ていると目上の女性によく思われない可能性もあります。
安くて気軽に買えるので、若いうちはポリエステルの着物から着物ライフを始めてみましょう♪
②友人とのランチやお出かけなどの街着
ポリエステルの着物はカジュアル目のデザインなので、友人とのランチやお出かけなどの街着として着るのにおすすめです!
洗濯も簡単にできるので、食事の場にも着ていきやすいですね。
お散歩や旅行など汗をかきやすい時でも、洗濯できるから気になりません。
③正絹の着物を着る前のお試し着物
まだ着物を着たことがない人の着物デビューにもポリエステルの着物はおすすめです。
安くてお求めやすいので、着物を着る生活を実感しやすいですね。
それに着付けの練習にもなります。
もしもポリエステルの着物を着てみて、物足りなくなってきたら正絹の着物にチャレンジしてみましょう♪
④茶道のお稽古着
茶道のお稽古をしていると、抹茶が飛んできてしまい着物が汚れることがあります。
そんな時に正絹の着物を着ているとクリーニング代がバカにならないですよね。
そこで洗濯しやすいポリエステルの着物なら、抹茶が跳ねても洗濯できるので気になりません!
失敗も気にせずにお茶のお稽古を楽しめますね♪
おしゃれなポリエステル(化繊)の着物を楽しみましょう♪
昔はプリント技術が未熟で安っぽいと言われていたポリエステルの着物は、技術が発展した現代では、正絹とも変わらないほどのキレイな着物になっているのよ。
安っぽく見えないか不安でしたが、ちゃんと選んで買えば大丈夫そうですね!
そうね!お家の洗濯機で洗濯もできるし、値段も安くてお求めやすいから、着物デビューはポリエステルの着物がおすすめね♪
また新しい着物を買おうと考えている方は、今持っている着ていない着物を買取ってもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?
着ていない着物はドンドン価値が下がってしまうので、高く売りたい場合はできるだけ早く査定してもらうのをおすすめします。
私も実際に6社の着物買取業者に査定してもらって、一番高い金額をつけてくれた業者に売りました。
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