「友人の結婚式に色留袖を着ていきたいけど、常識的に大丈夫なのかな…」
「姉の結婚式に色留袖を着ていこうと思ってるけど、気をつけなきゃいけないマナーってあるかな…」
「色留袖を着て結婚式に参加する時は、どんな髪型やメイクが似合うんだろう…」
初めて色留袖を着て結婚式に出席する時は、常識やマナー違反が無いかどうか不安になりませんか?
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
色留袖は紋の数によって格が変わるので、立場やシーンによって向き不向きが分かれる難しい着物なんです。
私も来月に姉の結婚式があって色留袖を着る予定なのですが、本当に色留袖で大丈夫なのか不安で…
30代の未婚の妹さんなら色留袖で大丈夫ですよ。それに今回は色留袖を着て結婚式に参加するにあたって知っておきたい、正しい色留袖や小物の選び方から髪型、メイク、マナーまで全て分かりやすくお伝えしていくので安心して下さいね。
この記事の目次
- 1 色留袖とは、黒留袖の次の格にあたる略礼装着・準礼装着
- 2 結婚式での色留袖と黒留袖、訪問着の違い
- 3 【20代30代40代50代別】結婚式にふさわしい色留袖の色や柄の選び方
- 4 結婚式の色留袖にふさわしい帯は礼装用袋帯で、二重太鼓結びが基本
- 5 結婚式の色留袖にふさわしい小物の選び方とマナー
- 6 結婚式で色留袖を着る時の髪型やヘアスタイルは夜会巻きがおすすめ
- 7 結婚式で色留袖を着る時の髪飾りやかんざしは上品なものを
- 8 結婚式で色留袖を着る時のメイクや化粧はいつもより濃いめを意識
- 9 結婚式で色留袖を着る時のネイルは控えめに
- 10 結婚式で着る色留袖の値段相場(購入/レンタル)
- 11 結婚式で色留袖を着る時の着付け法
- 12 結婚式で色留袖を着る時の着こなし方
- 13 結婚式で色留袖が着崩れした時の直し方
- 14 親族や友人の結婚式で色留袖を着こなして、二人の門出を祝いましょう
色留袖とは、黒留袖の次の格にあたる略礼装着・準礼装着
基本的に女性の着物の格は、高い順に以下のように並んでいます。
- 黒留袖(礼装)
- 色留袖(略礼装着)
- 訪問着(略礼装着)
色留袖の特徴としては、布の地色が黒以外で上半身は無地、下半身の裾部分にキレイな「絵羽模様」が描かれています。
生地には細かいシボのある「縮緬(ちりめん)」があるものや、地模様が織り出されたものがあります。
また色留袖の襟や袖口、裾などの部分に布の縫い付けて二重に重ね着をしているように見せる「比翼仕立て」がされています。
比翼仕立てが採用された経緯としては、昔は色留袖を着る際に白羽二重という下着を着ていたのですが、現在では色留袖1着で簡単に着られるように簡略化されたためです。
色留袖は既婚女性や未婚女性で振袖を卒業した方の正装や準礼装着・略礼装着として着用でき、結婚式や披露宴、華やかなパーティーなどのフォーマルな場で用いられます。
また紋の数によっても格が変わり、五つ紋だと黒留袖と同格で、三つ紋、一つ紋、紋無しと格が下がっていきます。
現代では三つ紋を入れて準礼装着として使うことが多いですね。
結婚式での色留袖と黒留袖、訪問着の違い
色留袖と比較されることの多い「黒留袖」と「訪問着」との違いを簡単に比較してみましょう。
【色留袖】
- 格 :略礼装着
- 着る人:親族、(友人・知人)
- 柄 :黒以外の生地で上半身は無地、下半身は模様あり
【黒留袖】
- 格 :正装、礼装着物
- 着る人:既婚の親族、仲人婦人
- 柄 :黒い生地で上半身は無地、下半身に模様あり
【訪問着】
- 格 :略礼装着
- 着る人:親族、友人・知人
- 柄 :上半身から下半身まで流れるような模様
次に具体的に着る人をイメージして、どんな着物がふさわしいかをお伝えします。
新郎新婦の母は黒留袖が無難
結婚式で新郎新婦の母が着物を着る場合は、最も格の高い黒留袖を着るのがマナーです。
色留袖の五つ紋付も黒留袖と同格になるのですが、招待客をお出迎えする立場である母親は黒留袖を選んだ方が無難です。
また結婚式では両家の格を揃えるというマナーもあり、新郎側の母と新婦側の母で同格の着物を着る必要があります。
一方が黒留袖、もう一方が色留袖とならないように、事前に打ち合わせをして着物の格を揃えるようにしましょう。
黒留袖について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さいね。
>>『黒留袖とは?知らないと恥をかくマナーや帯、髪型など全て徹底解説!』
姉妹などの親族、いとこなどの親戚は色留袖が無難
姉妹などの親族やいとこなどの親戚など主役と近い立場の方は、色留袖を着て結婚式に参列するのがふさわしいです。
色留袖が持っている華やかな印象は晴れやかな結婚式にピッタリです。
三つ紋や一つ紋の色留袖を選ぶようにしましょう。
また未婚女性は振袖を着るという選択肢もあります。
未婚のうちしか着られない振袖を着ておきたいという方は振袖を、華やかさの中にも大人の落ち着いた印象を出したいという方は色留袖がおすすめです。
友人・知人は未婚は振袖、既婚は訪問着が無難
友人・知人などゲストとして結婚式に参加する際のマナーは、「親族の格を超えないこと」です。
色留袖の五つ紋付は黒留袖と同格になるので着るべきではありません。
また色留袖の三つ紋付や一つ紋付は略礼装着になるので、訪問着と同格と見なされ本来であれば大丈夫です。
しかし色留袖は親族が着ることが多いため、友人・知人の立場で色留袖を着ていくと親族と勘違いされる可能性が出てきます。
ですので、友人・知人として着物を着る場合は、未婚であれば振袖、既婚であれば一つ紋付か紋無しの訪問着を着ていくのが無難ですね。
結婚式に着ていく訪問着について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さいね。
>>『親族や友人の結婚式で訪問着はOK!知らないと恥をかくマナーとは?』
【20代30代40代50代別】結婚式にふさわしい色留袖の色や柄の選び方
結婚式に着ていくにふさわしい色留袖を選ぶために、年代ごとにおすすめの色や裾の柄をまとめてました。
また結婚式にふさわしい色留袖を選ぶ上での注意点を4つお伝えします。
- 黒留袖と被ってしまう黒色は避ける
- 花嫁と同じ色の着物にしない(白や赤、オレンジは避ける)
- 花嫁の着物より目立つ色にはしない
- 桜柄は「散る」をイメージさせるので避ける
結婚式の主役はあくまでも花嫁です。
花嫁の門出に花を添えるためにも、花嫁よりも目立つ着物は控えるようにしましょうね。
結婚式の色留袖にふさわしい帯は礼装用袋帯で、二重太鼓結びが基本
結婚式で色留袖に合わせる帯としては「礼装用の袋帯」が一般的です。
袋帯とは、生地の表と裏が分かれている帯のことで、長めのサイズに作られています。
柄はおめでたい鶴や亀、松竹梅が描かれていたり、豪華な金や銀の刺繍が織り込まれていたりします。
結び方は「二重太鼓結び」にしておくのが無難です。
二重太鼓結びとは、腰の後ろの結び目が縦と横に重なった結び方で、「幸せが重なるように」と晴れやかな式典での礼装に用いられます。
結婚式の色留袖にふさわしい小物の選び方とマナー
長襦袢・肌襦袢は白色が無難
襦袢(じゅばん)とは、色留袖の下に着る肌着のようなもので「白色」を選んでおけば間違いありません。
もしも友人・知人として若い方が色留袖を着ていく場合は、格を下げる意味合いで薄いブルーやピンクの襦袢を着ていっても問題ありません。
半襟・半衿も白色が無難
半襟・半衿(はんえり)とは長襦袢の襟に縫い付ける布地で、襦袢と同じく「白色」が無難です。
友人・知人という立場なら薄い色付きでも問題ないですね。
帯揚げや帯締めも白色が無難
帯の上部分から出る帯揚げ(おびあげ)や帯の上から巻く帯締め(おびしめ)も、礼装用の白いものを選びましょう。
もしくは白地に金や銀の刺繍が入っているものも格があるのでおすすめです。
帯留めは使わない
帯留め(おびどめ)とは帯締めに挿すアクセサリーですが、結婚式などのフォーマルな場ではふさわしくありません。
というのも、そもそも帯留めは遊女が使い始めたもので、カジュアルな場に身につけていくアクセサリーだからです。
草履やバッグは礼装用のものをセットで
色留袖に合わせる草履やバッグは「礼装用」のものがあり、草履とバッグの素材やデザインを合わせるとキレイに見えるので、セットで揃えるのがおすすめです。
草履はかかとが4〜5cmほどの高さがあり、白地に金や銀の刺繍が入ったエナメル素材のものが礼装用のものです。
バッグは草履とセットになっていることが多いです。
着物の履物として下駄もありますが、下駄はカジュアルな場に履いていくものなので、くれぐれも結婚式には履いていかないように注意しましょう。
足袋は白色のストレッチ素材でOK
足袋は「白色」でストレッチ素材のものがおすすめです。
ストレッチ素材だと足にピッタリと合うので、キレイに足袋を履けます。
足袋はサイズ合わせが難しいので、ブカブカにならないように気をつけましょう。
扇(末広)は必須ではないが、あると望ましい
扇(末広)は親族として色留袖を着用する場合は、持っていく方が良いです。
友人や知人の方は無くても問題ありません。
扇の骨子が黒色で扇を広げた部分が金や銀の「祝儀扇」を選びましょう。
扇は広げて使うのではなく、帯に挿しておきます。集合写真やゲストのお出迎え、お見送りの際には右手に持ち左手を添えるのがマナーですよ。
ハンカチは白色のものを
色留袖を着用する時のハンカチは、他の小物と同じく「白色」が無難です。
目的別に以下の2種類のハンカチを用意しておくのが好ましいです。
- お手拭き・汗拭き用の小さめの木綿製ハンカチ
- 膝にかけて着物の汚れを防ぐ大きめの刺繍やレースのハンカチ
指輪は結婚指輪なら大丈夫
指輪は結婚指輪なら付けていって大丈夫ですが、パールやダイヤの派手な指輪は控えるようにしましょう。
それに装飾のある指輪の場合、着物に引っかかって着物を傷つけてしまう可能性もありますね。
ピアスやイヤリング、腕時計はしない
基本的に色留袖を着る時はアクセサリー類はしないのがマナーです。
しかしピアスを外したことでピアス穴が大きく目立つ場合は、目立ちづらい小さなパールピアスをしてピアス穴を隠しましょう。
また腕時計をすることは晴れやかな社交の場で時間を気にする失礼な人と捉えられてしまうので、腕時計もしないようにしましょう。
結婚式で色留袖を着る時の髪型やヘアスタイルは夜会巻きがおすすめ
「夜会巻き」とは、後ろ髪をねじり上げてまとめた上品なアップスタイルの髪型です。
バタバタ動いても髪型が崩れないようにハードスプレーでしっかりと固めておきましょう。
夜会巻きでもボリュームを出しすぎるとバランスが崩れてしまうので、しっかりと髪をまとめてボリュームを抑えた髪型を意識しましょう。
私も髪型はいつも夜会巻きにしています。
ショートやボブの髪型の人はハーフアップやトップにボリュームを持たせよう
髪が短いボブやショートヘアーの人は夜会巻きが難しいものです。
かといって髪型をセットしなければ、色留袖の豪華な雰囲気に髪型が負けてしまいます。
ですので、髪が短いボブやショートの方はハーフアップやトップにボリュームを持たせるセットにすることで、いつもよりも派手やかな髪型を意識してみましょう。
結婚式で色留袖を着る時の髪飾りやかんざしは上品なものを
色留袖の美しい雰囲気に合う髪飾りは、「べっこうのかんざし」や「漆塗りの髪飾り」など上品なものです。
逆にキラキラ光るカジュアルな髪飾りやコサージュなどの大振りな髪飾りは避けましょう。
結婚式で色留袖を着る時のメイクや化粧はいつもより濃いめを意識
結婚式で色留袖を着る時のメイクや化粧は「いつもよりも少し濃いめ」が着物の魅力を更に引き立てます。
メイクや化粧のポイントを部位別にまとめたので参考にして下さいね。
使う色 | 着物自体にたくさんの色が使われているので、メイクに使う色は同系色にしましょう。 |
ファンデーション | いつもよりもワントーン明るめを。 |
アイシャドウ | ブラウンをベースに。青や緑は避ける。パッチリよりも切れ長に |
まつげ | ロングタイプのマスカラを使い、つけまつげは不要。 |
眉毛 | 普段よりも気持ち短く太く濃いめで直線的な眉毛にしましょう。 |
チーク | 暖色系の色留袖には赤色、寒色系の色留袖にはピンクが似合う。ほお骨の高いところに少しだけチョンと付けましょう。 |
口紅 | チークと同じ色を使うと自然です。口紅を塗る前にファンデーションを唇に塗っておくとキレイな色になります。 |
結婚式で色留袖を着る時のネイルは控えめに
色留袖自体が色鮮やかな着物なので、ネイルはベージュ系やクリア系の控えめにすると似合います。
逆に、派手なネイルやつけ爪はマナー違反なので注意しましょう。
結婚式で着る色留袖の値段相場(購入/レンタル)
色留袖の値段相場は素材が生絹なのか化繊(ポリエステル)なのかによって上下します。
購入する場合の値段相場は、15万円〜30万円ほどです。
レンタルする場合は、式場のレンタルで3万円〜10万円ほど、ネットレンタルで2万円〜8万円ほどが相場です。
ヘアセットや着付け、メイクは、それぞれ8,000円前後で行ってもらえますよ。
結婚式で色留袖を着る時の着付け法
結婚式で色留袖を着る場合の着付け法は大きく3種類あります。
- 自分で着付けする
- 美容院で着付けをしてもらう
- 式場の着付師に着付けをしてもらう
3つの方法をメリット・デメリットで比べたので、自分にあった方法を選びましょう。
1、自分で着付けする
メリット
- 無料でできる
デメリット
- プロの着付けよりも下手な場合が多い
- 着付けした後に移動しなければいけない
2、美容院で着付けをしてもらう
メリット
- 料金が安い(5,000円〜7,000円ほど)
- 新郎新婦に気を遣わせなくて大丈夫
デメリット
- プロの着付師ではないので出来映えにムラがある
- 着付けした後に移動しなければいけない
3、式場の着付師に着付けしてもらう
メリット
- 着付けした後の移動が無い
デメリット
- 料金が高い(7,000円〜12,000円ほど)
- 着物や小物類の持ち込み料がかかることがある
- 着付け料を新郎新婦とゲストのどちらが持つかや当日の着付けスケジュール調整などで気を遣わせてしまうかもしれない
結婚式で色留袖を着る時の着こなし方
結婚式で色留袖を着る時には、色留袖の格や美しさにふさわしい上品な着こなしや行動が求められます。
色留袖の着こなしについて4つのポイントをまとめたので、参考にしてみて下さいね。
- 歩く時は裾がはだけないように、内股で歩幅を小さくする
- イスに座る時は浅めに腰掛けると着崩れしにくい
- 帯の着崩れを防ぐためにイスの背もたれには背中を付けない
- 食事で袖が汚れないように片方の手で袖を抑える
結婚式で色留袖が着崩れした時の直し方
結婚式で色留袖を着ると慣れない和装姿でバタバタ動くので、着崩れしてしまうことが多いです。
こまめに着崩れを直せるように3つのポイントをまとめたので、ぜひ参考にして下さいね。
1、襟元の着崩れは整えてからお端折(おはしょり)を下に引っ張る
胸元のV字になっている襟元崩れた時は、まずは重なっている下の襟を整えてから上の襟を直します。
その後お端折という帯の下から出ている襟に繋がっている部分を下に引くことで襟元を整えます。
2、帯が下がってきた場合はハンカチを入れて帯周りのゆるみを減らす
帯が下がってきた場合は、まずは元の位置に上げ直しましょう。
帯の後ろ部分の下から手を入れて上に戻し、その後帯の前部分の上を持って元の位置に直します。
それでも帯の締め付けがゆるくて下がってきてしまう場合は、帯の下からハンカチをはさみ込むことで帯回りのゆるみを無くしましょう。
3、上前(うわまえ)が下がってきた時はお端折にしまい直す
上前という裾が重なっている部分が着崩れすると、裾を踏んづけてしまいます。
上前が下がってきた場合は、下がっている部分を引き上げてお端折の下にある腰紐の中にしまいましょう。
そして腰紐をキツく結び直すと上前が下がりづらくなります。
親族や友人の結婚式で色留袖を着こなして、二人の門出を祝いましょう
色留袖を着て結婚式に参加する場合は、色留袖の格や上品さに恥じないマナーや着こなしが求められます。美しい色留袖にふさわしい女性になるためには、相応の常識や知識を身につけることが重要なんですよ。
着物を着ることは、女性としての成長にも繋がるんですね!
そうよ。着物を着ることが自分を見つめ直すきっかけになって、さらに美しい女性になっていった人をたくさん見てきたわ。着物の正しいマナーを身につけて素敵な女性になれるように、これからも一緒に頑張っていきましょうね。
また新しく色留袖を買おうと考えている方は、今持っている着ていない着物を買取ってもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?
着ていない着物はドンドン価値が下がってしまうので、高く売りたい場合はできるだけ早く査定してもらうのをおすすめします。
私も実際に6社の着物買取業者に査定してもらって、一番高い金額をつけてくれた業者に売りました。
無料で査定してもらえるので、まずは一度査定してもらってはいかがでしょうか?
>>『【6社査定済】相場よりも高価で売れた着物買取業者口コミランキング』