「小紋ってよく聞くけど、実際どんな着物なの?」
「小紋を着たいけど、どんなシーンで着たら良いのか分からない…」
「小紋を着るにあたって、どんなコーディネートが自分に合うか分からない…」
小紋はセミフォーマルでもカジュアルでも着ることできる使い勝手の良い着物ですが、いざ着るとなると不安なことがたくさんありませんか?
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
小紋は着物全体に可愛らしい上品な柄が描かれている素敵な着物ですよね。でも着こなすにはTPOに合わせたマナーや小物選びが重要なんです。
私も友達と浅草にお出かけする時に小紋を着たいのですが、自分に似合っているのか分からなくて…
自分で似合う着物を選ぶのはなかなか難しいですよね。そこで今回は、小紋の特徴や種類からTPOに合わせた帯や草履などの小物の選び方、おすすめコーディネート例まで小紋に関する全てのことを分かりやすくお伝えするので安心して下さいね。
この記事の目次
小紋とは?いつ着る着物?
小紋とは、着物全体に同じ柄が上下関係無しに繰り返し描かれている着物です。
多くの小紋は「型染め」という柄の型を使って絵柄を染め上げていく技法で作られています。
街へのお出かけや友人との食事などはもちろん、お茶会やパーティーなどの華やかな場からコンサートや観劇まで幅広いシーンで着用できます。
小紋はカジュアルな場からドレスアップして品のある場まで使える、洋服で言うところのワンピースのような着物ですね。
小紋の格と付け下げや訪問着、紬との違い
顧問とよく比較される着物に「付け下げ(つけさげ)」「訪問着(ほうもんぎ)」「紬(つむぎ)」があります。
それぞれの格、染め方や模様の特徴、着られるTPOの3点について比較してみましょう。
【小紋】
- 格 :フォーマル目な外出着
- 特徴:後染め、上半身から下半身まで上下関係ない均一な模様
- TPO:食事や展覧会などの外出
※お茶会で着用可能
【付け下げ】
- 格 :フォーマル目な外出着
- 特徴:後染め、上半身から下半身まで上下関係ある均一な模様
- TPO:食事や展覧会などの外出
※お茶会で着用可能
(参考記事:付け下げと訪問着の違いの見分け方を柄や格、TPO、値段で徹底解説!)
【訪問着】
- 格 :略礼装着
- 特徴:後染め、上半身から下半身まで流れるような模様
- TPO:結婚式や入学式などのフォーマルな式典
(参考記事:親族や友人の結婚式で訪問着はOK!知らないと恥をかくマナーとは?)
【紬】
- 格 :カジュアルな外出着
- 特徴:先染め、格子柄やまだら模様、絣模様
- TPO:食事や展覧会などの外出
※お茶会では着用不可
(参考記事:紬とはどんな着物?知っておきたい帯やコーディネート作法を徹底解説)
着物の格は基本的に作る大変さで決まります。
小紋と付け下げは同じ「フォーマル目の外出着」ですが、付け下げは染める時に柄の上下を気にしないといけないので、その分手間がかかります。
ですので、付け下げは小紋よりも少し格が上に位置づけられています。
小紋の柄の種類
柄が小さく細かいものやシンプルで無地の面積が多いものはいろいろな帯と合わせやすく、使い勝手の良い着物になります。
逆に柄が大きく無地の面積が狭くなっているものは派手で豪華な印象になるので、きらびやかなパーティーなどに向いていますね。
もともとは柄の大きさから大紋、中紋、小紋と呼ばれていましたが、現在では小紋に統一されています。
小紋の種類
一口に小紋といっても、以下で挙げるように実に様々な種類があります。
- 江戸小紋 :一見すると無地に見えるほど細かい柄が描かれている
- 小紋友禅 :花鳥や草木、山水などの柄が豊富な彩色で描かれている
- 紅型小紋 :紅色に染める沖縄地方の独特な染め方
- 絞り小紋 :生地の表面がデコボコしている
- 更紗型小紋:南方系のエキゾチックな柄が描かれている
この中でも江戸小紋と小紋友禅は紋を一つ付けることで他の小紋よりも格が非常に高くなり、一つ紋付の色無地と同格の略礼装着として結婚式に着ていくこともできます。
次に小紋の中でもとりわけ格の高い江戸小紋について少し詳しくお伝えしていきます。
小紋の中でも格の高い「江戸小紋」
江戸小紋のルーツは、それぞれの大名家に定められた家紋である「定め小紋」を描いた着物にあります。
定め小紋が描かれた着物はその藩の者以外は着ることできない由緒ある着物とされていました。
一般的に江戸小紋は柄が細かければ細かいほど格が高いとされており、「鮫小紋」「角通し小紋」「行儀小紋」の3つは江戸小紋の代表格になっています。
- 鮫小紋 :細かい柄があしらわれた「極鮫」は徳川8代将軍吉宗の生家の紀州家の定め小紋
- 角通し小紋:信濃戸田家の定め小紋
- 行儀小紋 :仙台藩伊達家の定め小紋
江戸小紋についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧下さい。
>>『江戸小紋とはどんな着物?柄や種類、帯のコーディネートを全て解説!』
友人として結婚式に参加するなら江戸小紋でも良いけど、訪問着の方が無難
結婚式に小紋を着て参加したいと考えている方もいると思います。
その場合は、「新郎新婦との関係性」と「式場の雰囲気」を意識しましょう。
結婚式で小紋を着用できる場面はカジュアル目の結婚式や披露宴に友人として参加する時だけです。
しかも、普通の小紋は格が低くカジュアルすぎるので、「江戸小紋一つ紋付」を選びましょう。
結婚式の2次会に参加する時は、華やかめの小紋でも大丈夫です。
友人代表のスピーチなど前に出る機会がある方は、無難に未婚の方は振袖、未婚既婚関係なく着られる訪問着を選びましょう。
小紋に合わせる帯は袋帯や名古屋帯、半幅帯がおすすめ
小紋はフォーマル目なシーンからカジュアル目なシーンまで幅広く使える着物なので、小紋に合わせる帯もシーンを考えて使い分けることが重要です。
【フォーマル目なシーン】
豪華な刺繍や金や銀の糸、金箔などが使われていない控えめな袋帯や少しカジュアルな洒落袋帯、金や銀の糸が使われた格のある名古屋帯がおすすめです。
フォーマルな場に着ていく小紋は、江戸小紋や小紋友禅などの格の高いものや柄が細かく箔があしらわれているものなどが向いています。
【カジュアル目なシーン】
半幅帯や名古屋帯が簡単に着付けられて付け心地もラクなのでおすすめです。
カジュアルな場に着ていく小紋としては、通常の小紋から好きなものを選んで大丈夫です。
小紋に合わせる草履や下駄はTPOによって使い分けよう
小紋を着る時に草履にしようか下駄にしようか悩む方もいると思いますが、TPOを意識すると簡単に選ぶことができます。
フォーマル目な場所に行く際は草履がおすすめです。ただし厚めの草履は礼装用になってしまうので、薄い草履を選ぶようにしましょう。
カジュアル目な場所に行く際は下駄がおすすめです。
初めて行く場所の場合は「下駄お断り」の可能性もあるので、草履を履いていくと失敗しないですよ。
小紋に合わせるバッグは着物や帯の色と合わせるとオシャレ
小紋に合わせるバッグは、着物や帯の色と合わせることで全体で見て統一感のあるコーディネートになります。
ただし金や銀の刺繍が入ったバッグは礼装用で、小紋には不向きなので気をつけましょう。
小紋に合わせる襦袢や帯締め、半襟は着用シーンで使い分けよう
小紋の下に肌着として着る肌襦袢(はだじゅばん)や長襦袢(ながじゅばん)、長襦袢の衿部分に縫い付ける布である半襟(はんえり)はフォーマル目な場かカジュアル目な場かによって使い分けるのが好ましいです。
帯の上から巻く帯締め(おびしめ)はどちらのシーンでも平打ちのもので着物や帯の色と同系色を選ぶと似合います。
【フォーマル目なシーン】
襦袢の色は淡いブルーやピンクなどの薄めの色がおすすめです。
半襟も襦袢同様に薄くて淡い色がおすすめです。
【カジュアル目なシーン】
襦袢は柄がついていたり濃い色のものを選ぶとオシャレです。
半襟は柄付き、刺繍もの、色付きのものなど好みのものと合わせましょう。
小紋に似合う髪型はアップスタイルがおすすめ
小紋に似合う髪型は、髪をキレイにまとめたアップスタイルや夜会巻きがおすすめです。
個性を出したい方はサイドの髪を編み込んでみたり遊び心のある髪飾りを使ったりしてみましょう。
髪がショートやボブの方は、片側の髪を耳にかけ、もう片方にボリュームを寄せたアシンメトリーの髪型がよく似合います。
ボリュームを寄せた方の髪にカールをかけて動きを付けてあげると、より華やかな印象になりますね。
私はいつもアップスタイルの夜会巻きにしています。
【TPO別】小紋のおすすめコーディネート
結婚式の小紋コーディネート
卒業式の小紋コーディネート
七五三の小紋コーディネート
パーティーの小紋コーディネート
街歩きの小紋コーディネート
お食事の小紋コーディネート
小紋をキレイに着こなして、さらに美しくなろう
小紋はセミフォーマルでもカジュアルでも着ることのできる使い勝手の良い着物ですよね。でも、それと同時にTPOに合わせた着こなしや小物選びも求められる着物でもあります。しっかりしたマナーや常識も身につけておきたいものですよね。
着物を着こなせるようになれば、女性としても一回り成長できるということですね。
そうなの。着物を着ていく中で品のある女性になるためのマナーや意識、気配りが身に付いていくのよ。さらに美しい女性に慣れるように、これからも一緒に頑張っていきましょうね。
また新しく小紋を買おうと考えている方は、今持っている着ていない着物を買取ってもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?
着ていない着物はドンドン価値が下がってしまうので、高く売りたい場合はできるだけ早く査定してもらうのをおすすめします。
私も実際に6社の着物買取業者に査定してもらって、一番高い金額をつけてくれた業者に売りました。
無料で査定してもらえるので、まずは一度査定してもらってはいかがでしょうか?
>>『【6社査定済】相場よりも高価で売れた着物買取業者口コミランキング』