「黒留袖って聞いたことがあるけど、イマイチよく分かっていない…」
「今度結婚式で初めて黒留袖を着るんだけど、着物ってマナーが色々ありそうで不安…」
「黒留袖を着る際に、どんな帯や小物、髪型を合わせたらいいか分からない…」
黒留袖は格が高い着物なので、いざ着るとなると様々な不安が出てきませんか?
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
黒留袖は既婚女性が着る最も格が高い着物です。しかし、格が高いのでそれ相応の着こなしやマナーが必要になります。
私も来月に妹の結婚式で初めて黒留袖を着る予定なのですが、小物の選び方やマナーが分からなくて…
大丈夫ですよ。今回は黒留袖の正しい選び方からふさわしい小物、髪型、メイクまで全てのマナーや注意点を分かりやすくお伝えするので安心して下さいね。
この記事の目次
- 1 黒留袖とは?
- 2 黒留袖を着るのは、新郎新婦の親族や仲人婦人
- 3 黒留袖の柄の種類や比翼仕立てについて
- 4 年齢別の黒留袖の選び方
- 5 黒留袖にふさわしい帯は、袋帯の二重太鼓結び
- 6 黒留袖にふさわしい小物の選び方とマナー
- 7 黒留袖に似合う髪型やヘアスタイルは上品なアップスタイルが基本
- 8 黒留袖にふさわしい髪飾りやかんざしは上品なものを
- 9 黒留袖を着る時のメイクや化粧はいつもよりも濃いめを意識しよう
- 10 黒留袖に似合うネイルは控えめにしよう
- 11 黒留袖の値段相場(購入・レンタル)
- 12 黒留袖の注意すべきマナー
- 13 黒留袖を着ている時の身のこなし方
- 14 黒留袖を正しく上品に着こなして、素敵な女性になろう
黒留袖とは?
黒留袖とは、既婚女性が着る着物の中で、一番格が高いもの(第一正装)になります。
特徴としては、背中、両袖、両胸の合計5カ所に紋が入っていることです。
紋とは、家系や団体などを表すマークのことで、5つ、3つ、1つ、紋無しの4種類の着物があり、5つの紋が入っている着物が一番格が高いとされています。
生地は黒色の無地のものを使用し、裾にだけ絵柄が描かれています。
黒留袖を着るのは、新郎新婦の親族や仲人婦人
着用するシーンは、結婚式や披露宴の際に新郎新婦の親族や仲人婦人が着てゲストをもてなします。
結婚式では両家の格を揃えるのがマナーです。
新郎新婦の母親同士で着物の格に差が出てしまわないように、黒留袖を着る際は両家とも黒留袖を着るように事前に打ち合わせをしておくのが重要です。
ゲストとして参加する友人や知人が親族よりも格が高い着物を着るのはマナー違反になります。
紋が3つか1つの色留袖や、紋が1つの訪問着、色無地を着るようにしましょう。
参考記事:
『結婚式の色留袖は親族はOKで友人はNG?恥をかかないマナーを解説!』
『親族や友人の結婚式で訪問着はOK!知らないと恥をかくマナーとは?』
『色無地とはどんな着物?知っておきたいおすすめの色や帯を全て解説!』
黒留袖の柄の種類や比翼仕立てについて
黒留袖の柄は華やかなものから落ち着いているもの、柄の面積が大きいものから小さいものまで多種多様です。
年齢や新郎新婦との続柄によって選ぶのがおすすめです。
詳しい選び方は次の章でお伝えします。
紋は家族で共通の家紋が入っているのが理想です。
レンタルの場合は、紋の部分をシールのように家紋に張り替えたり、誰でも使っても良い家紋を使ったりします。
黒留袖は「比翼仕立て」と呼ばれる独特な仕立て方をしています。
比翼仕立てとは、2枚の着物を重ねて着ているように見せるために、襟や裾、袖口などの部分を二重に仕立てることです。
昔は黒留袖の中に白羽二重と呼ばれる下着を重ねて着ていたのですが、現在では簡略化されて黒留袖だけで重ね着しているように見せられる比翼仕立てが一般的になっています。
年齢別の黒留袖の選び方
【新郎新婦の母親や年配の方】
- 裾模様の面積が小さく、裾の低い位置に模様が描かれている着物
- スッキリとした落ち着きのある柄
- 松竹梅や鶴、亀、鳳凰などの格の高さがある柄
【20〜30代の若い方】
- 裾模様の面積が大きく、膝上あたりまで模様が描かれている着物
- 華やかで彩りのある柄
黒留袖にふさわしい帯は、袋帯の二重太鼓結び
黒留袖の帯は「袋帯」がふさわしいです。
袋帯とは、表の生地と裏の生地が別々に分かれている長い帯で、金や銀の糸や豪華な刺繍が織り込まれています。
黒留袖と合わせる時の柄は、格調高い松竹梅や鶴・亀、鳳凰などの柄や、重厚で雅な雰囲気の柄などが似合います。
結び方は「二重太鼓結び」と呼ばれる腰の結び目で帯が交差する結び方が適切です。
黒留袖に合わせる帯色は黒や濃い地色は似合わないので、色選びも気をつけましょうね。
黒留袖にふさわしい小物の選び方とマナー
長襦袢・肌襦袢は白を選ぼう
黒留袖を着る際は、下着として肌襦袢、肌襦袢の上に長襦袢を着るのが正しい着用方法です。
色のついた襦袢もありますが、黒留袖と合わせる際は「白色」の襦袢を着用しましょう。
生地は生絹(すずし・きぎぬ)という生糸で織った絹布が理想ですが、化繊二部式と呼ばれるポリエステル製の襦袢でも問題ありません。
喪服で着たことがある白い襦袢を持っている方は、その襦袢を着用しても大丈夫です。
半襟・半衿も白色を選ぼう
半襟・半衿(はんえり)とは、長襦袢の襟部分に縫い付ける布です。
半襟も襦袢同様に「白色」がふさわしいです。
帯揚げ・帯締めは白地に金や銀の刺繍を選ぼう
帯の上辺を飾る帯揚げや帯の上から締める帯締めも「白色」のものを選びましょう。
格を高く華やかに見せるために、白地に金や銀の刺繍が入っているものもおすすめです。
帯留めは使わない
帯留めは帯締めに通すアクセサリーですが、黒留袖は着物や帯で十分豪華な印象になっているので、帯留めを使うのはふさわしくありません。
草履は礼装用のものを選ぼう
黒留袖にはかかとが4〜5cmほどある厚めの「礼装用草履」がふさわしいです。
素材は白地の布に金や銀の刺繍が入ったものやエナメルのものが適切です。
着物の履物として下駄もありますが、下駄はカジュアルな着物の時に履くものなので、結婚式には履いてこないように気をつけましょう。
足袋は白色を選ぼう
靴を履く時の靴下の役割をする足袋ですが、足袋も「白色」がふさわしいです。
バッグは礼装用のものを選ぼう
バッグは草履同様に「礼装用のバッグ」を選びましょう。
バッグを選ぶ際は、草履と同じ素材や柄、デザインを意識すると全体のバランスが取れて美しい印象になります。
また合皮のバッグはカジュアルなため、黒留袖と合わせるのは不向きなので注意しましょう。
扇(末広)は祝儀扇で必需品
扇(末広)は、扇の形が末広がりで縁起がいいことから、晴れやかな式典における礼装の必需品になっています。
礼装で用いる扇は少し小さめの祝儀扇と呼ばれるもので、広げて扇いだりするのではなく、帯の左側に挿して飾りとして使います。
扇の骨子部分は黒色で、広げた時に見える扇の部分は金や銀のものが一般的です。
扇を帯に挿す時は、骨子の黒色ではなく扇の地色が正面に見えるように挿しましょう。
帯から出ている部分が2〜3cmほどになるように挿すとキレイに見えますよ。
ハンカチは白色を2種類持っていこう
黒留袖を着る時のハンカチは、他の小物類と揃えて「白色」のものを選びましょう。
用途別に以下の2種類のハンカチを持っておくとスマートです。
- 着物の汚れを防ぐ膝かけ用の大きめの刺繍やレースのハンカチ
- 汗拭き、お手拭き用の小さめのコットンのハンカチ
指輪は結婚指輪のみ
結婚指輪をする分にはいいですが、他の派手な指輪をするのはマナー違反になるので控えるようにしましょう。
ピアスやイヤリング、腕時計は付けないようにしよう
ピアスやイヤリングは、黒留袖と合わせる時には付けない方がふさわしいです。
しかしピアスを付けないことでピアス穴が目立ってしまうのは避けるべきなので、小ぶりのパールのピアスを控えめに付ける場合もあります。
腕時計は付けると時間を気にしていると思われてしまうので、付けない方が好ましいです。
黒留袖に似合う髪型やヘアスタイルは上品なアップスタイルが基本
【黒留袖に似合う髪型やヘアスタイルのポイント】
- フロントもサイドもしっかりと櫛目を付けたアップスタイルが基本
- バタバタ動いても崩れないようにハードスプレーで固める
- 正面からだけではなく全体から見て上品になるようにセットする
【黒留袖に似合わない髪型やヘアスタイルのNGポイント】
- 強めのカールやルーズなまとめ髪は黒留袖の上品な印象を損ねてしまう
- アップスタイルだけど髪のボリュームを抑えられていない
- 逆毛が立ってしまって清潔感が感じられない
自分でセットするのが難しい場合は、5,000円〜8,000円ほどでプロにヘアセットしてもらえます。
第一正装の黒留袖を着られるせっかくの機会なので、素敵な髪型で最高の1日を過ごしましょう。
黒留袖にふさわしい髪飾りやかんざしは上品なものを
黒留袖に髪飾りを使うのはマナー違反ではありません。
しかし、黒留袖に似合う上品で大人な印象を与える髪飾りを選ぶ必要があります。
おすすめの髪飾りは、「べっこうのかんざし」や「漆塗りのもの」です。
逆に避けた方がいい髪飾は、キラキラ光るカジュアルな髪飾りです。
黒留袖を着る時のメイクや化粧はいつもよりも濃いめを意識しよう
【黒留袖に似合うメイクやお化粧のポイント】
- 華やかなしっかりメイク
- ワントーン明るめのファンデーションでキレイなお肌
- ハイライトは使わずに「のっぺり感」のあるメイク
- 口紅は上品なブラウンレッドやローズ系がおすすめ
- アイラインを太めに引いて目尻は直線的に
【黒留袖に似合わないメイクやお化粧のNGポイント】
- 華やかさの無いナチュラルメイク
- ラメやパールの使い過ぎ
- ファンデーションの塗り過ぎで顔と首の境目がハッキリしてしまう
- ハイライトを使った立体感のあるメイク
黒留袖に似合うネイルは控えめにしよう
基本的に黒留袖を着る時のネイルは、黒留袖自体が豪華で派手な印象を与えるので、控えめなネイルがトータルで見て美しく映ります。
ですので、ネイルはしてもしなくても大丈夫です。
ネイルをする場合は、派手にならないクリア系やベージュ系にしましょう。
黒留袖の値段相場(購入・レンタル)
黒留袖のお値段相場は、ものによってピンキリではありますが、黒留袖一式(黒留袖・袋帯・長襦袢・草履・バッグ・着付け小物)を購入する場合は50万円ほどです。
レンタルの場合は、10万円ほどで考えておくといいでしょう。
ヘアセットや着付け、メイクは、それぞれ5,000円〜8,000円ほどで行ってもらえます。
ものによっては5万円ほどでレンタルできる黒留袖もありますが、安物になってしまうので注意しましょう。
黒留袖の注意すべきマナー
黒留袖を着るときに気をつけるべきマナーは、やはり「どの立場の人が着るか」です。
先ほどもお伝えしましたが、黒留袖は結婚式や披露宴で新郎新婦の親族や仲人婦人が着る着物です。
ゲストで呼ばれた友人や知人が黒留袖を着ていくのはマナー違反になるので注意しましょう。
また両家で格を揃えるのもマナーになるので、和装の結婚式をする場合は、どの着物を着る予定なのか事前に話し合っておくことも忘れずに行いましょう。
黒留袖を着ている時の身のこなし方
黒留袖は既婚女性が着る着物の中で最も格式高い着物なので、着用する際の身のこなしも重要になります。
以下の4つのお作法を守った身のこなしをして、上品で美しく振る舞いましょう。
- 歩く時は裾がはだけないように、「小股・内股」を心がける
- 椅子に座る時は浅く腰掛けるとはだけにくい
- 帯が解けないように背もたれには背中を付けない
- 食事をする時は袖が汚れないように片方の手で袖を押さえる
黒留袖を正しく上品に着こなして、素敵な女性になろう
格が高い黒留袖を着るためには、黒留袖にふさわしい上品な帯や小物選び、髪型やメイク、所作や着こなしが求められます。
そのためには、自分自身が上品なマナーを身につけた素敵な女性になることが重要なんですよ。
黒留袖を着ることは、女性としての成長にも繋がるんですね!
そうよ。着物は私たち女性の魅力を引き上げてくれるの。
着物の似合う素敵な女性になれるように一緒に頑張っていきましょうね。
黒留袖を新しく買おうと考えている人は、今持っている着ていない着物の処分も検討してみてはいかがでしょうか?
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