「付け下げと訪問着ってどう違うんだろう?」
「付け下げと訪問着はどのように使い分けたら良いんだろう?」
「付け下げと訪問着ってどっちがいくらぐらい高いの?」
付け下げと訪問着は似ているので、その違いが分からずに困ってしまうことはありませんか?
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
付け下げと訪問着は違いを見分けるのが難しいですし、それぞれの特徴についてちゃんと説明できる人も多くありません。
この前呉服屋さんに行ったのですが、付け下げと訪問着の違いを聞いても納得できる答えが得られなかったんです…
そうだったのね。でも安心して大丈夫よ。今回は付け下げと訪問着の違いについて、柄の特徴・着物の格や着られるTPO・値段の面から分かりやすく比較して説明するから、最後には自分で違いを説明できるレベルになっているわ。
この記事の目次
付け下げとは、着物全体に均一な柄が描かれた着物
(出典:https://item.rakuten.co.jp/fukukimono/tt61486-160917zm/)
【特徴】
付け下げとは、上下の区別ができる均一な柄が着物全体に描かれている着物です。
着物になる前の反物の時に柄が描かれるので、反物の合口(つなぎ目になる部分)の柄は合わなくなってしまうことが多いです。
【格と着られるTPO】
付け下げの格は基本的に訪問着よりも低く、オシャレ着として友人との食事やお出かけ、コンサートや美術館、お茶会やお花の稽古などに着ていくことができます。
結婚式や披露宴、入学式や卒業式などの式典には着ていけないので注意しましょう。
付け下げの中には「付け下げ訪問着」や「付け下げ小紋」といったややこしい着物もあるので、後ほど詳しくお伝えしますね。
訪問着とは、着物全体に大きな絵柄が描かれた着物
(出典:https://item.rakuten.co.jp/rental-poem/hw1008/)
【特徴】
訪問着とは、上半身から下半身まで流れるような一つの大きな絵柄が描かれている着物です。
着物を織った後に絵柄が描かれるので、合口で絵柄がズレること無くキレイな柄になっています。
この一つの繋がった絵柄のことを「絵羽」と言います。
【格と着られるTPO】
訪問着の格は留袖(正装)の下の準礼装着で、友人の結婚式や披露宴、入学式や卒業式などの式典、格式高い場所へのお出かけなどに着ていくことができます。
紋を一つ付けることで格が上がり、親族の結婚式にも着ることができます。
訪問着はカジュアルな場に着ていくことは不向きなので、近場の買い物や友人との軽い食事などには着ていかないようにしましょうね。
参考記事:親族や友人の結婚式で訪問着はOK!知らないと恥をかくマナーとは?
付け下げ訪問着とは、合口で柄がズレないように作られた付け下げ
(出典:http://koshihara-kimono.com/blog-houmongi.html)
【特徴】
付け下げ訪問着とは、反物の時に合口で柄がズレないように作られた付け下げです。
しかし「訪問着」は着物全体に大きな絵柄が描かれるので合口にたくさん絵柄が被る分作るのが大変なのですが、「付け下げ訪問着」は合口に被る柄は1〜2カ所しか無いように作るので、比較的控えめの柄で簡単に作ることができます。
【格と着られるTPO】
付け下げ訪問着の格は訪問着と同格とされているので、訪問着同様に友人の結婚式や披露宴、入学式や卒業式などの式典、格式高い場所へのお出かけなどに着ていくことができます。
強いて言えば、付け下げ訪問着は訪問着よりも控えめな柄になっているので、華やかさが求められるお祝いの席やパーティーなどには訪問着を着ていくのをおすすめします。
付け下げ小紋とは、柄の上下や構図を意識した飛び柄の付け下げ
(出典:http://koshihara-kimono.com/blog-houmongi.html)
【特徴】
付け下げ小紋とは、見栄えが良くなるように柄の上下や構図を意識して飛び柄が描かれた付け下げです。
普通の小紋は柄の上下や構図を意識せずに着物全体に均一の飛び柄が描かれています。
【格と着られるTPO】
付け下げ小紋も小紋も付け下げと同じ格になり、オシャレ着としてコンサートや美術館、友人との食事やお出かけ、お茶会やお花の稽古などに着ていくことができます。
ただし付け下げ小紋の方が柄の上下や構図が考えられている分、小紋に比べて豪華な印象になります。
ですので、華やかな場所へのお出かけには付け下げ小紋を着ていくのをおすすめします。
付け下げと訪問着の柄の違い
【付け下げ】
- 柄の特徴:着物全体に上下の区別できる均一の柄が描かれている
- 派手さ :控えめで大人しい
- 合口の柄:ズレている
【訪問着】
- 柄の特徴:着物全体に一つの大きな絵柄が描かれている
- 派手さ :華やかで豪華
- 合口の柄:ピッタリと合っている
【付け下げ訪問着】
- 柄の特徴:右袖と裾に大きな柄が描かれている
- 派手さ :なかなか華やかで派手
- 合口の柄:ピッタリと合っている
【付け下げ小紋】
- 柄の特徴:見栄えが良くなるように柄の上下や構図が意識された飛び柄
- 派手さ :まあまあ派手な印象
- 合口の柄:合口に柄が被らないように作られる
付け下げと訪問着の格とTPOの違い
【付け下げ】
- 格 :外出着
- TPO:食事、コンサート、美術館、お茶会、お花やお茶のお稽古など
【訪問着】
- 格 :準礼装着
- TPO:友達の結婚式や披露宴、入学式や卒業式などのフォーマルな式典など
※付け下げ訪問着よりも華やかな装いをしたい時におすすめ
【付け下げ訪問着】
- 格 :準礼装着
- TPO:友達の結婚式や披露宴、入学式や卒業式などのフォーマルな式典など
【付け下げ小紋】
- 格 :外出着
- TPO:食事、コンサート、美術館、お茶会、お花やお茶のお稽古など
※付け下げよりも華やかな装いをしたい時におすすめ
付け下げと訪問着のレンタル料金・値段の違い
値段の違いは柄付けの難しさや手間、着物の格によります。
訪問着は合口に被る柄の部分が多く、その分柄付けが難しく手間がかかり、結果として高価になります。
一方付け下げは合口がズレても構わないので、柄付けの手間が省けて安い値段になります。
付け下げと訪問着の違いを意識して使い分けよう
簡単にまとめると、付け下げは着物全体に均一な柄が描かれている控えめな模様の着物で、訪問着は着物全体に一つの大きな絵柄が描かれている派手な模様の着物という違いがありますね。
付け下げは食事や観劇、お茶会といったセミフォーマルなシーンで着る着物で、訪問着は結婚式や披露宴、入学式などのフォーマルなシーンで着る着物という違いも勉強になりました!
参考になったみたいで良かったわ。着物はたくさん種類があって違いを見分けるのも難しいし、TPOに合わせて選ぶ必要もあるから大変だけど、着こなせるようになったら人生の幅が広がるわよ。
着物についてもっと興味が出てきたので、これからもさらに勉強していきます!
また新しく付け下げや訪問着を買おうと考えている方は、今持っている着ていない着物を買取ってもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?
着ていない着物はドンドン価値が下がってしまうので、高く売りたい場合はできるだけ早く査定してもらうのをおすすめします。
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