「着物はどうやって保管したら良いのかな…」
「着物の保管ができる収納ケースは何が良いかな?」
「自分で手入れしなくても大丈夫な保管サービスはある?」
こんにちは。『着物買取女将』のかずよです。
着物を間違った方法で保管してしまうと、カビや虫食いの被害にあってしまいます。
私も母から譲り受けた着物を保管したいのですが、どうやったら良いか分からなくて…
着物を初めて保管する場合は、どうやったら良いのか分からないものですよね。
でも安心して下さい。
今回は着物の正しい保管方法やおすすめの収納ケース、サービスなどを分かりやすくお伝えしていきますね。
この記事の目次
【着物の保管の敵】意識したい4つのポイント
まずは着物を傷めてしまう「着物の保管の敵」について考えてみましょう。
湿気
着物を保管するとき、いちばん大きな問題は湿気です。
絹の着物はとくに湿り気を含みやすく注意が必要です。
湿気への対策をせず、カビが生えてしまったりしては着物が台なしです。
梅雨の時期はもちろん、暖房器具を使う冬も湿気への注意を怠らないように気をつけましょう。
虫
久しぶりに出した着物に虫くいのあとを見つけて、がっかりなさったことはありませんか。
絹には虫はつかないはずなのに…と思われた方も多いでしょう。
絹の着物に虫がつく原因はいくつか考えられます。
まずウールの着物やコートなどと一緒にしまっておいた場合です。
ウールには虫がつきやすいので、必ず分けてしまうようにしましょう。
また汚れたまましまっておいた着物にも虫がつきます。
汗や食べものなどの汚れは虫を引き寄せやすいので、きちんとお手入れをしてからしまうように心がけましょう。
紫外線
着物も日焼けします。
紫外線は太陽からばかりではなく、室内の照明からも出ています。
たとう紙に包んでいても、光は通してしまいます。
室内だからと安心せず、遮光にも気を配りましょう。
ガス
接着剤やゴムからはガスが発生していて、着物を傷める原因のひとつになっています。
着付け用の用具や小物には、ゴムや接着剤を使ったものが多いですよね。
着物と着付け用具を一緒にしまっておくと便利とお考えになる方もあるかもしれませんが、必ず分けてしまうようにしてください。
また着物の収納に段ボールをお使いの場合、段ボールに使われている酸化防止剤が着物を変色させてしまうことがあります。
段ボールに限らず、不要な紙類は処分するようにしましょう。
着物にとって最適な保管場所とは?
それでは、着物にとって最適な保管場所とはどんな場所なのでしょうか。
着物にとって最適な保管場所は、湿気の少ない場所・直射日光が当たらない場所です。
着物は湿気を含みやすく、放っておくとカビが生えやすいものです。
カビはクリーニングで落とせる場合もありますが、生地が傷み元どおりというわけにはいきません。
また日焼けによる変色も元どおりにすることは困難です。
ですから着物は、カビが生えず日焼けをしない場所を選んで保管する必要があるのです。
着物を長くキレイに保管する方法や仕方
せっかくの大切な着物ですから、長くきれいな状態でお召しになっていただきたいものです。
ここでは、着物をよい状態で保管するために、どんなことに気をつけておけばよいのか考えてみましょう。
どれも難しいことではありません。
ほんのちょっとした習慣で、着物の傷みは防げますよ。
まずはハンガーにかけて風通しする
お召しになったあとの着物をすぐにしまってはいけません。
大きめのハンガーにかけ、しばらくのあいだ陰干ししましょう。
着物自身の重さでシワも取れるので一石二鳥と言えるでしょう。
取れにくいシワにはあて布をして、裏からアイロンをかけて伸ばします。
汗をかきやすい夏に着物をお召しになった場合には、汗ジミにも気をつけましょう。
着物を脱いだらすぐに、水を含ませて固く絞った布を着物の襟や脇にあてて丁寧に汗をとり陰干しします。
乾いたタオルでホコリを落とす
着物の湿気が取れたら、乾いた布で埃を払います。
このとき、強くこすらないように気をつけましょう。
刺繍や箔の部分は、さらに丁寧に気をつけて埃を払います。
シミや汚れがないかチェックする
次に、シミができていたり汚してしまったりしたところがないかを確認します。
衿や袖口、前身頃はとくに汚れがつきやすいので、念入りに確認します。
裾回り、腰まわりもよく見ておきましょう。
シミや汚れがあった場合には、分かりやすい色の糸で印をつけておきます。
あとで染み抜きに出すときのために、原因が分かればメモをしておきます。
汗ジミを見つけたら、水を含ませて固く絞った布で拭き取ってもう一度よく乾かしましょう。
手に負えない汚れは無理をして取ろうとせず、専門家に任せましょう。
ご自分で汚れを落とそうとすると、こすって生地を傷めてしまったり汚れが広がってしまったり、さらに困ったことになってしまうので注意しましょう。
着物は1枚ずつたとう紙に包む
着物が完全に乾いたら、たたみジワがつかないように正しくたたみましょう。
保管するときには、着物を一枚ずつたとう紙に包みます。
刺繍や箔の部分には薄紙を当てておくとよいでしょう。
たとう紙は湿気を吸うので一年に一度くらい取り替えて、いつもきれいにしておくように心がけます。
大きめの文房具店ならばまとめて届けてもらえますし、最近は100円ショップでも手に入りますよ。
着物を重ねて収納しすぎない
着物をしまうときには、何枚も重ねすぎないように気をつけましょう。
あまりたくさん重ねると、重さで型崩れしたりシワがよったりします。
また下の方に重ねた着物には湿気がたまりやすく、カビの原因にもなります。
重ねて収納する場合は、5枚くらいまでと覚えておいてくださいね。
着物と帯や小物類は別々に収納する
着物と帯は別々に収納しましょう。
帯は帯用のたとう紙に包んで保管します。
どうしても一緒にしまいたいという場合は、帯は着物の上に乗せます。
着付け用の用具や小物にはゴムや接着剤が使われていて着物を変色させる可能性があるので、これも別々に収納しましょう。
収納する枚数や場所も意識する
箪笥の引き出しにしまう場合には、家具の染料などがうつらないように、いちばん下に布を一枚広げておきます。
汚れが分かりやすい、白木綿の布で十分です。
たたんだ着物は襟側の方に厚みが出るので、互いちがいに重ねていきます。
このとき、重ねすぎ・詰め込みすぎには気をつけてください。
箪笥も下にいくほど湿気がたまりやすいため、上等の着物・お気に入りの着物はできるだけ上の引き出しにしまうように心がけましょう。
防虫剤は1種類のみ
防虫剤は一種類のみを使います。
いろいろな種類の防虫剤を入れると化学反応を起こして溶け出し、シミや変色の原因になる場合があります。
防虫剤を入れ替えるときにも、それまでのものと同じ防虫剤を使うように気をつけましょう。
着物に直接あたらないよう、引き出しの隅に置くのがよいですね。
着物を収納した後の保管やケアの方法や仕方
このように気をつけて収納した着物ですが、お手入れはこれで終わりではありません。
大切な着物ですからときどき様子を見て、定期的にお世話をしてあげましょう。
面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、お洋服にも衣替えや虫干しはあります。
着物のお手入れを季節ごとの楽しい習慣になさってください。
定期的に湿気を逃がしてあげる
引き出しやケースにしまった着物には湿気が溜まりがちです。
湿度の低い日に引き出しを開けておいたりケースの蓋をずらしておいたりするだけでも、カビの発生はかなり防げます。
除湿剤をお使いになるのもよいでしょう。
定期的に虫干しを行う
梅雨明けごろ、秋の初め、乾燥した冬…というように時期を決めて、年に2、3度は虫干しをしましょう。
具体的には、7月末から8月、10月、2月が虫干しにはおすすめです。
午前10時ごろから始めて、湿度が上がる夕方前15時ごろにはお手入れを終えるようにします。
虫干しは大きめのハンガーで、陰干しが基本です。
帯も虫干しが必要です。
着物も帯も時間をおいて裏返して、両面を乾かしましょう。
お持ちの着物や帯を一度に虫干しするのはたいへんという場合は、少しずつ進めます。
重ねた着物の上下を入れ替えるだけでも、カビの防止になります。
湿気を吸ったたとう紙を新しくするのも効果的です。
こまめに着てあげる
着物は重ねっぱなしにせず、こまめに着てあげましょう。
お召しになるたびに乾かして汚れを確認し、自然とお手入れをすることにつながりますよ。
着なくなってしまった着物は保管せずに買い取ってもらうのがおすすめ
ここまで着物の保管や収納の方法をご紹介してきましたが、着なくなった着物まで毎回お手入れしていくのは正直大変なものですよね。
そこで今後着ないと思われる着物は、いっそのこと買取に出してしまうことをおすすめします。
私も実際に着なくなった着物を買取に出したことでお手入れの手間も減りましたし、もちろんお金にもなりました。
着なくなった着物をタンスの肥やしにしていると、着物の状態がドンドンと悪くなってしまいます。
着物の生地が傷んだり日焼けしてしまったりすると、元は高く買い取ってもらえていたものが安く買い叩かれてしまいますよね。
ですので、着ていない着物がある方は早めに買い取ってもらうことをおすすめします。
しかし着物の買取サービスはたくさんあって、どこが良いのか迷ってしまうと思います。
私も実際に大手6社の着物買取業者に査定してもらいましたが、買取価格には2倍以上の差がありました。
私の体験談はこちらの記事でまとめているので、興味のある方はぜひご覧下さい。
>>『【6社査定済】相場よりも高価で売れた着物買取業者口コミランキング』
ちなみに一番高い査定額をつけてくれたのは、『バイセル』という業者です。
バイセルは無料で査定に来てくれますし、もしも査定額に納得できなかったとしてもキャンセル料は無料です。
出張査定も宅配査定も行っていますし、プロの査定員が正しい査定額をつけてくれるので安心できます。
出張査定で見知らぬ男性が来るのが不安という女性のお客さんは、無料で女性査定員を指名できるのも特徴ですね。
無料で査定してもらって査定額を見てから売るかどうか決めるのでも問題ないので、まずは一度査定してもらってみてはいかがでしょうか?
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着物の保管に桐箪笥が好ましい理由
着物用の箪笥と言えば、桐箪笥と言われます。
昔は着物の詰まった桐箪笥は、嫁入り道具のひとつとされていました。
桐は湿度によって膨張したり縮んだりする木材です。
湿度がたかいとき、桐は膨張して箪笥のなかに湿気が入り込むのを防ぎます。
逆に湿度が低ければ、縮んで通気性をよくしてくれるのです。
また桐は防虫効果にもすぐれ、虫くいの心配も減らしてくれます。
このような理由から、着物の保管には桐箪笥がいちばんと言われているのです。
桐箪笥以外に着物の保管に使えるアイテム
湿度の管理・防虫の両面から桐箪笥はたいへんすぐれているのですが、とても高価なものでもあります。
大きな桐箪笥を置くスペースがないという方も多いでしょう。
ここでは、現代の住宅事情にあった着物の収納・保管方法について考えてみます。
プラスチック製の衣類収納ケース
プラスチック製の収納ケースは手頃な価格で、どこでも簡単に手に入ります。
インターネットや通信販売カタログで探せば、着物の収納にちょうどよいサイズのものが見つかります。
プラスチック製のケースを着物の保管に使う場合の問題点は、やはり通気性でしょう。
引き出しもケースも閉めっぱなしにせず、ときどきは開けて風をとおすことが大切です。
また除湿剤や除湿シートを使い、こまめに取り替えるように気を配ってください。
ニトリのプラスチック製衣類収納ケース
【料金】
4,772円(税込)
※3個セットです。
【サイズ】
幅39cm×奥行74cm×高さ30cm
【ご購入】
無印良品のプラスチック製衣類収納ケース
【料金】
4,700円(税込)
※2個セットです。
【サイズ】
幅40cm×奥行65cm×高さ30cm
【ご購入】
スチールラック
あちこちで気軽に手に入るという点で、スチールラックも着物の収納に便利なアイテムです。
プラスチック製のケースにくらべて、通気性がよい点が魅力ですね。
着物や帯を簡単に引き出すことができ、普段から頻繁に着物をお召しになる方には人気があります。
専用のカバーをつけたり大きな布をかぶせたりして、日焼けへの対策をしてお使いになるとよいでしょう。
アイリスオーヤマのスチールラック
【料金】
4,760円(税込)
【サイズ】
幅91cm×奥行46cm×高さ151cm
【ご購入】
収納バッグ
主に持ち運び用のバッグです。
ご自宅以外での着付けのために着物を持ち運ぶ場合、宅配便で着物を一式送る必要がある場合などには重宝するアイテムですね。
着物の収納アイテムとしても使えないわけではありませんが、湿気がこもりやすく、長期の保管にはおすすめできません。
コンパクトにしまっておこうとすると、たとう紙に包んだ着物をさらにふたつ折にすることになってしまい、折りジワも気になります。
和物屋の着物収納バッグ
【料金】
5,400円(税込)
【サイズ】
幅39cm×高さ47cm
【ご購入】
保管袋
たとう紙に包んだ着物がちょうど収まるサイズの保管袋です。
あらかじめ防ダニシートが入っていて、虫くいの心配がない便利な商品もあります。
オビカワの着物保管袋
【料金】
1,699円(税込)
【サイズ】
幅95cm×奥行42cm×高さ30cm
【ご購入】
【着物保管サービス】自分で着物を保管するのが面倒な方におすすめ
お手持ちの着物を預かり、保管してくれるサービスです。
温度や湿度の管理が行き届いた環境で保管してもらえます。
クリーニングを依頼することもでき、お手入れの手間も省けますね。
それなりの費用はかかりますが、ご自宅に着物を保管しておくスペースがない、お手入れは面倒というような場合には便利なサービスです。
きもの保管サービス「校倉」
【料金】
- きもの:5,000円
- 襦袢:4,000円
- 帯:4,000円
- 3点セット:10,000円
※1年間の保管料金です。
【公式サイト】
https://www.kikuya529.com/hokan
着物クリーニングデリ 洗匠工房
【料金】
- 1〜3点:3,150円
- 4〜6点:3,150円
- 7〜9点:8,505円
- 10〜12点:10,710円
- 13〜15点:12,600円
※3ヶ月の保管料金です。
【公式サイト】
https://www.sentaku-kobo.com/service/hokanservice.html
着物の小物類は小さな箱やバスケットを活用しましょう
着物の楽しみのひとつに小物類があります。
同じ着物や帯でも帯揚げや帯締めでぱっと印象が変わるので、小物をたくさんお持ちの方は多いでしょう。
小物類を見やすく整理しておけば、着付けのときにも助かります。
小さめのバスケットや箱を使って、いつもきちんと整理しておきたいですね。
自然素材で風通しのよいもの、埃が入らないようフタがあるもの、重ねておけるものなど、ご自分の使い勝手のよいものをお選びになるとよいでしょう。
帯揚げや帯締め用には16cmくらいの深さのもの、伊達締めや帯枕などの着付け用具入れには24cmくらいのさらに深めのものがおすすめです。
着物を正しく収納して、キレイな状態で保管しましょう!
着物の保管方法は難しいことは無く、ちょっとした工夫でキレイな状態を保つことができます。
わざわざ桐箪笥を使わなくてもいいことも勉強になりました!
それは良かったわ。
また着なくなった着物は保管の手間を減らしたり、他の着物への悪影響を無くすためにも、早めに買取に出すことをおすすめします。
私が実際に査定してもらった体験談はこちらの記事でまとめているので、興味のある方はぜひご覧下さい。
ひとまず1社にだけ査定してほしい場合は、一番高い査定額をつけてくれたバイセルをおすすめします。
バイセルで買取査定をしてもらった体験談や他の利用者の口コミはこちらの記事でまとめているので、興味のある方はご覧下さい。
>>『坂上忍がCMに出てるバイセルの着物買取は安い?評判や口コミを解説』